(2015年7月15日 訪問)
写真説明: | 左写真 ローエンホルスト・ムルドルを記念して建てられた家で、そのままムルドルハウスと呼ばれている家とその前の水路と道路。いまでも2台の車が余裕ですれ違える位の道幅がある。中央・右写真 ムルドルハウスはちょっとした物産館になっている。 |
写真説明: | 左写真 浦島屋南面日傘を差した洋装の麗人が似合う景観である。中央写真 正面入り口玄関の庇が浮いている感じがする。もしかすると2階はバルコニーの様に工夫があったかもしれない。右写真は窓部の詳細。デザイン的にバランスが良い。雨戸を止めるS字の止め金具が洗練されている。 |
(注-1) | ローエンホルスト・ムルドルの日本での業績について (ウィキペディアより。本文中のムルドルの経歴についても概ねウィキペディアを参照して記載した。) 主な業績としては、児島湾干拓事業、広島港築造、鮫港整備、鬼怒川治水事業、富士川治水事業、亀田川転注事業、利根川開削事業、淀川治水事業、下関港 整備等が揚げられている。そして三角港(西港)整備事業。これだけの量を10年 間に行ったとすれば、相当な量と言えよう。 |
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(注-2) | ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)「夏の日の夢」 林田清明訳 一部を紹介しよう。 その旅館は、楽園の ように思えたし、女中メイドた ちも天女のようだった。(中略)2階のバルコニーの杉の円柱の間からは―― 黄色い小舟がもの憂げに停泊している―― 三角港が見え、その湾曲した浜辺に沿って、綺麗な灰色の町並みが望める。そして、釣り鐘を伏したような、緑の大きな岩山と岩山の間に、港の開口部があり―― その向こうにある地平線にはきらきらした夏の輝きがあった。水平線の辺りには、古い記憶のように、山々の影がぼんやりとしている。灰色の町と黄色い舟と緑の崖の他は、みんな青色であった。 そのとき、風鈴の音ねを 聴くようなすずやかな声で、「ご免下さいまし」という丁寧な言葉が聞こえると、私はうたた寝の白昼夢から覚めた。それは、旅館の女主人が茶代 のお礼にやってきたもので、私も両手を付いてお辞儀をした。彼女はとても若くて、歌川国貞の「胡蝶の美女」や「青蛾の娘図」を思わせる、うっとりするような、とても愛想の良い人だった。http://www.geocities.jp/kaijyonouta/hearn/dream_summer.html |
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一部緑の太字で表した部分は私が注意を引くために入れている。つまり当時の浦島屋のバルコニーに立つ柱は丸柱だったとラフカディオ・ハーンは証言している。現在の柱は角柱である。 | ||
(注-3) | 建設の施工企画 2008年5月号N.699にこの項に関する記載がある。詳細を知りたい人は参照されたい。 | |
特集 歴史的遺産・建造物の修復、復元 港湾の歴史的景観形成を計る三角西港 ~築港百二十周年、更に世界遺産を目指して~ 著者:宮石昌史 この中に改修前の宇土郡役所、三角海運倉庫、龍驤館、浦島屋、高田回漕店の写真が掲載されているので参考にされたい。 |